日本三景といえば、
・日本海の天の橋立
・太平洋の松島
・瀬戸内海の宮島
です。
どこも魚介類が美味しそうですぅ!
百人一首にも詠まれた
天の橋立があるのは、京都の丹後。
丹後地方では丹後縮緬が作られています。
今回は「きもの文化検定公式教本2」の「糸と白生地」より白生地についてまとめました。
目次
縮緬
・白生地の素材の最も代表的なもの
・緯糸に撚りをかけて織ることで「シボ」ができる。
・縮緬の二大産地:長浜・丹後
[きもの文化検定3級]
縮緬にシボができる理由は?
(1) 織物にシワ加工を施すから。
(2) 経糸、緯糸の張力を変化させて織るから。
(3) 凹凸が現れる織り組織を用いて織るから。
(4) 緯糸にだけ撚りをかけて織り、撚りが戻ろうとする力が働くから。
解答 (4)
浜縮緬
・滋賀県長浜市
・模様の無い白生地
・一越縮緬、古代縮緬、変わり縮緬、東雲縮緬など
・琵琶湖の軟水が生糸に適している
・1752年頃、2人の職人によってスタート
↓
彦根藩の保護で発展
[きもの文化検定3級]
滋賀県の長浜市で織られる織物で代表的なものは?
(1) 絽塩瀬
(2) 紋意匠縮緬
(3) 無地縮緬
(4) 羽二重
解答 (3)
丹後縮緬
・京都北西部の丹後地方
・雨が多く湿度が高い ← 乾燥を嫌う絹織物に適する
・無地縮緬、紋縮緬(地紋入り)
・江戸時代中期~
丹後の絹屋佐平治が京都の西陣で糸撚りやシボの出し方などの技を学び丹後に持ち帰ったのが始まり。
[きもの文化検定3級]
縮緬を製造するのに適した気候や地理条件は?
(1) 日照時間が長い。
(2) 雨が少なく乾燥している。
(3) 年間を通して湿度が高い。
(4) 出荷しやすいよう海に面している。
解答 (3)
白生地の流れ
①糸を乾かす
生糸(原料)
↓
下漬け(油剤に浸ける)
↓
乾燥
②綛糸(かせいと)を巻き取る
綛(かせ)になっている糸をボビンに巻き取る「糸繰り」
③経糸の長さや本数をそろえる
経糸:整経 (本数・長さ・幅を整える)
[きもの文化検定3級]
絹縮緬を作る工程の中で、経糸の長さや本数をそろえる作業をなんと呼ぶか?
(1) 合糸(ごうし)
(2) 整経(せいけい)
(3) 糸繰り(いとくり)
(4) 緯合わせ(ぬきあわせ)
解答 (2)
④糸に撚りをかける
緯糸:撚糸 (イタリー撚糸・八丁撚糸)
・イタリー撚糸機は壁糸を作るのに使用。フライヤーという道具を使う。
[きもの文化検定3級]
一越縮緬の組織の説明で正しいものは?
(1) 右撚り左撚りを1本ずつ交互に織る。
(2) 右撚り2本と左撚り1本を交互に織る。
(3) 右撚り左撚りを2本ずつ交互に織る。
(4) 右撚り1本と左撚り2本を交互に織る。
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
御召は緯糸に( )の強撚糸を交互に打ち込んで製織する。
(1) 左撚りと右撚り
(2) 片撚りと諸撚り
(3) J撚りとL撚り
(4) 八丁撚りとイタリー撚り
解答 (1)
解説:
(3)右撚り=S撚り、左撚り=Z撚り
(4)八丁撚りは湿式。糸に水をかけながら撚る
イタリー撚りは乾式。壁糸をつくるイタリー撚糸機を使う
[きもの文化検定3級]
縮緬の緯糸は主にイタリー撚糸(乾式)と八丁撚糸(湿式)が使われるが、イタリー撚糸で、ボビンから解除される糸を揃えることと適正な張力をかけて撚りをかけるために使用する道具は?
(1) 静輪
(2) フライヤー
(3) リングキャップ
(4) ワッシャーテンサー
解答 (2)
[きもの文化検定2級]
無地の白生地である浜縮緬は、経糸に生糸が8000~10000本並んでいます。
緯糸に撚りをかける工程には( ア )式のイタリー撚糸と( イ )式の八丁撚糸があります。
解答 (ア)乾 (イ)湿
紋紙作製
丹後紋縮緬の紋紙作りの流れ
・紋紙は織機に経糸の上げ下げの指示を出すもの。
正絵、図案
↓
増絵
↓
紋図、紋意匠図
↓
ドラムスキャナー
↓
コンピュータ画像処理、組織入力
↓
フロッピーディスク入力
↓
織り(力織機)
⑤白生地を織る
昔は浜縮緬も丹後縮緬も手織りされていたが、
現在は力織機(りきしょっき)で織られている。
・丹後縮緬では、模様入りの場合、2つの方法がある。
*フロッピーディスクを機会に挿入
*短冊形の紋紙を使う
・生機検査(節取り)
織りあがった生地を一反一反、結びや節などを取りながら検査する。
⑥精練(セリシンを取り除く)
・縮緬を織る生糸は「セリシン」と「フィブロイン」からなるタンパク繊維。
・精練液につけて「セリシン」を溶かす。
・100度の精練液に7~8時間浸ける。
・精練液は炭酸ソーダなどのアルカリ溶液に、マルセル石鹸や助剤を入れて作る。
[きもの文化検定3級]
絹織物に行う精練の最も重要な目的は?
(1) 漂白のため。
(2) シボと柔らかい風合いを得るため。
(3) 汚れを取り除くため。
(4) 光沢を得るため。
解答 (2)
[きもの文化検定3級]
「精練」とはどの工程か?
(1) アルカリ溶液でセリシンを除く工程。
(2) 繭を煮て柔らかくする工程。
(3) 生糸に撚りを掛ける工程。
(4) 生地のシワを伸ばす工程。
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
精練について正しいものは?
(1) アルカリを用いて、繊維から不純物を取り除く工程。
(2) 経糸を織機にセットし、織り始められるようにする工程。
(3) 繭を煮て糸を取り出す工程。
(4) 染織の過程で染料を繊維に定着させる工程。
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
縮緬について誤っているものは?
(1) 国内の産地としては京都府丹後地方と滋賀県長浜市が有名である。
(2) 糸にかけた撚りが織りあがった後に冷水で洗うとシボができる。
(3) 八丁撚糸は一越縮緬や古代縮緬などに使われる。
(4) 緯糸に強い撚りをかけた糸を使用して織る。
解答 (2)
解説:セリシンを取り除きシボを生む精練液の温度は約100度
⑦生地の幅を出す
・幅出し:規格に合わせた幅に整える。
⑧品質を調べる
二つの方法を組み合わせて検品。
・水平式:織りキズやシボむらがよくわかる
・立て流し:縦筋や汚れを発見。
⑨合格印を押す
・品質表示法で定められている量目を布端に記入。
・組合で定められた表示印章を押す。
[きもの文化検定3級]
縮緬の製造過程について順番が正しいものは?
(1) 精練→乾燥→節取り→整経・撚糸→織→仕上げ
(2) 節取り→精練→乾燥→整経・撚糸→織→仕上げ
(3) 乾燥→整経・撚糸→織→節取り→精練→仕上げ
(4) 整経・撚糸→乾燥→節取り→織→精練→仕上げ
解答 (3)
[きもの文化検定3級]
丹後縮緬・浜縮緬についての説明で適切なものは?
(1) 経糸には全て強撚糸を用いる。
(2) いずれもイタリー式撚糸と呼ばれる方法で、糸に水をかけながら撚りをかける。
(3) どちらの産地も無地縮緬が主流で、地紋の入ったものは織られていない。
(4) 織り上がった生地は精練して、生糸の中のセリシンを溶かす。
解答 (4)
[きもの文化検定2級]
縮緬は( ア )には一般的に撚りをかけず、( イ )だけに撚りをかける。
それを交互に織り込んでいき、最後に( ウ )することで糸が収縮し、
撚りが戻って生地全体に細かい( エ )ができる。
解答
(ア)経糸
(イ)緯糸
(ウ)精練
(エ)シボ or 凹凸
五泉の白生地(絽・羽二重)
・五泉・・・長浜、丹後とともに、白生地の三大産地。
・五泉・・・・・・・・・絽、羽二重 (長浜・丹後は縮緬)
・絽の生産量は日本一。
・緯糸を濡らして織る特殊技術 → 生地密度が高い
・五泉の織物の始まりは17世紀中頃
↓
袴地の五泉平、綾織、斜子織
↓
明治24年頃~羽二重
後期には、平絽
[きもの文化検定3級]
長浜、丹後とともに白生地の三大産地とされているのは?
(1) 五泉市
(2) 秩父市
(3) 富山市
(4) 福井市
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
白生地の産地と主な生産品の特徴を選べ。
(1) 長浜 →(無地縮緬・紋綸子・絽/羽二重・紋意匠縮緬)
(2) 丹後 →(無地縮緬・紋綸子・絽/羽二重・紋意匠縮緬)
(3) 五泉 →(無地縮緬・紋綸子・絽/羽二重・紋意匠縮緬)
解答(1) 無地縮緬
(2) 紋意匠縮緬
(3) 絽/羽二重
[きもの文化検定3級]
夏きものの素材「絽」の生産量が全国一の産地は?
(1) 山形県の米沢
(2) 新潟県の五泉
(3) 石川県の小松
(4) 滋賀県の長浜
解答 (2)
[きもの文化検定2級]
丹後、長浜とともに白生地の三大産地として知られているのが新潟県の( ア )です。
( ア )は( イ )と羽二重が有名です。なかでも( イ )の生産量は日本一です。
解答 (ア)五泉 (イ)絽
[きもの文化検定2級]
紋紙は織機に経糸の操作の指示を出すもので、現在は短冊状の紋紙の他、フロッピーディスクも使われている。製作するために紋紙やフロッピーディスクを必要とする染織品はどれか?
綴織・紋縮緬・しじら織・献上博多・コーマ・錦織・知花花織・羽二重
解答:紋縮緬、献上博多、錦織
友禅染や型染、絞り染など、染めの着物には白生地が必要です。
糸が生地になるまでにも、多くの人の手を経ているんですね~♪
大切にしなければ!!