八掛が見える部分は、ほんの数ミリなのですが、
それだけで、着物の雰囲気がガラリと変わるので不思議です。
祖母のお着物を洗い張りに出した際、ついでに八掛を替えていただくことがあります。
薄いグリーンの色大島には、
ほとんど同じ色の八掛だったのですが、
思い切ってエメラルドグリーンにしたところ、
良いアクセントになってお気に入りです♪
あと、紺色の結城紬に朱色の八掛を
なんとかしたいと思いながら冬が終わってしまいました。
あ~、来年の冬には着られるように替えたいです!
目次
八掛(はっかけ)とは
袷の着物の裾の裏につける布です。
裾回しともいいます。
前後の身頃の裾裏に4枚、
衽の裏に2枚、
衿先の裏側に2枚
合計8枚掛けることから、「八掛」といいます。
八掛の裁断図
八掛は本来八つのパーツに分けられていたため、この名前がついたのですが
現在では「袖口」に使うパーツが加わって、全部で10枚となります。
それぞれのパーツが各二枚ずつあるのも同じく左右に使われるためです。
・前身頃の裏 左右
・後ろ身頃の裏 左右
・衽裏 左右
・衿先布 左右
・袖口布 左右
この八掛に使用する生地は一般的に、幅約37cm、長さ約4mと、着尺に比べると
およそ1/3程度の長さとなっています。
[きもの文化検定3級]
八掛(裾廻し)は、何枚の布に裁断するか?
(1)6枚
(2)8枚
(3)10枚
(4)12枚
◆解答 : (3)10枚
◆参照 公式教本2 156・171頁
八掛の種類
八掛には大きく分けて4種類あります。
1)無地八掛 2)ぼかし八掛 3)共八掛 4)柄八掛
1)無地八掛(むじはっかけ)
一番オーソドックスな八掛で「共八掛」以外すべての着物に使えます。
付け下げや色無地などは着物と同色かそれに近い色にします。
紬や小紋などは年代や着られる方の雰囲気に合わせて色選びをします。
2)ぼかし八掛(ぼかしはっかけ)
無地八掛が基本ですが、着物の地色が白または薄い色の場合、裏の八掛の色がうつる事があります。
その場合はボカシ染の八掛を使います。
3)共八掛(ともはっかけ)
はおもに訪問着、留袖、色留の場合です。
これらの着物は表地と同じ生地で、表と同じように染められ柄がつきます。
柄のつけ方など基本的な法則が決まっています。
4)柄八掛(がらはっかけ)
全体に小紋が染められていたら、上前になる部分だけにワンポイントで花柄などがあるものがあります。
どんなものにもつけられますが、ワンポイントは付け下げや色無地など、小紋は紬や飛柄の着物、色無地などに使います。