きもの文化検定 公式教本1

《織の産地と特徴:木綿》徳島の偉人「ハナ」

更新日:

「綿花」を見たり触ったりしたことがありますか?

じつは「綿花」というのは、花ではありません。
綿の花は、やわらかなクリーム色をしたハイビスカスのような花びらなのです。

その花が終わって、綿の実がはじけて顔を出すのが、真っ白な「綿花(コットン)」。

もふもふっ!

私が初めて飼った犬は「コットン・チュレアール」という犬。
チュレアール地方の綿(コットン)の名の通り、白くてモフモフでした。

木綿は、室町時代に伝わり、
肌触りが柔らかく、吸湿性に富み、水に強く、
さらに洗濯にも耐える丈夫さも備えた繊維なので、
江戸時代中期には庶民の素材として普及しました。

 

今回は、「きもの文化検定公式教本I」の中の「織りの主な産地と特徴」から、素材が木綿のものだけピックアップしました。

やみくもに覚えるよりも、グループ別に分けて理解すると暗記しやすいです。

「きもの文化検定公式教本I」のその他の着物の主な産地と特徴はこちら
  ↓
《染めの主な産地と特徴》
《織りの産地と特徴:紬》
《織りの産地と特徴:新潟県》
《織りの産地と特徴:沖縄県》

 

「きもの文化検定」の練習問題も解くことで、出題の傾向がわかりますので、是非、挑戦してみてくださいね。

 

 

 

木綿とは

・木綿糸を使用した織物
・藍染めに白絣が中心

 

[きもの文化検定4・5級]
木綿の説明について正しくないものを選びなさい。

(1) 絵絣で模様を表現したものがある。
(2) 白生地に柄を染める後染めである。
(3) 一般的には藍染めが多い。
(4) 久留米市、米子市などが産地として有名。

解答 (2)
解説:生地にする前の糸を先に染めてから織るので先染め

 

久留米絣(福岡県 久留米市)

・福岡県久留米市
重要無形文化財
手括りや織締めで防染した絣糸を天然藍で染めて手織り
井上伝(いのうえでん)という少女が古着の白い斑点にヒントを得て、糸を括ってから染めて織ると白い斑点状の柄ができ、その後改良を重ねた。

久留米絣の画像はこちら
  ↓
久留米絣

 

 

阿波しじら織(徳島県 阿波)

・徳島県阿波の産地 
海部ハナが雨に濡れた木綿布を乾かすとシボ(凸凹のこと)ができたので、改良を重ねしじら織になった。
・シボのあるしじら組織

阿波しじら織の画像はこちら
 ↓
阿波しじら織

 

 

[きもの文化検定4・5級]
 藍染めに使用されるアイの主な産地は?

(1) 愛知県
(2) 島根県
(3) 徳島県
(4) 石川県

解答 (3)
解説:徳島県は藍の産地

 

弓浜絣(鳥取県)

・鳥取県米子市、境港市の弓ヶ浜半島
・藍染
・横絣で模様を織り表す
・絵絣:花鳥山水、鶴亀、風景

 

 

[きもの文化検定4・5級]
 「弓浜絣」は何県で織られているか?

(1) 鳥取県
(2) 滋賀県
(3) 石川県
(4) 長野県

解答 (1)
解説 鳥取県米子市、境港市の弓ヶ浜半島で織られている

 

備後絣(広島県)

・広島県福山市、新市町
・藍色地にはっきりした絣模様

 

 

ミンサー織(沖縄県)

・沖縄県
・ミンサー:木綿の細帯のこと

 

おまけ ☆ 海部ハナ ☆

徳島の偉人になっている、海部ハナさん。

幼い頃から機織りを得意とし、嫁入りしてからも農業のかたわら内職として機織りをして家計を助けていました。

ハナさんは、何か新しい織り方はないかと日夜、織機を動かし織物の研究に腐心していたそうです。

ある日、自分が織った織物がにわか雨にずぶぬれになり、
それをそのまま乾かせておいたところ、一部に縞ちぢみができていました。
これを工夫したら新しい織物が出来るのではないかと、熱湯をかけて乾かすなど色々と手を加え、縮みをもつ新しい織物を完成させました。

ハナさんは、近所の娘や農家の主婦にも織り方を教え、出来た織物を協力者・安部重兵衛が、「阿波しじら」と命名し、売り出したそうです。

 

日々の努力もすごいけど、研究の成果を独り占めせず、周囲の人にもシェアするところが偉いですよね。
神社にも寄贈されているそうです。

 

「きもの文化検定」の勉強で覚えたことを人に話すと、より記憶が定着します。

勉強して得た知識を周りの人にも、是非シェアして下さいね。

 

 

 

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