我が家の壁に、大塚美術館で購入した、この絵が飾ってあります。
イタリアの画家、ボッティチェリの「ヴィーナス誕生」。
ヴィーナスが台にしている貝、実は、ほたて貝なんです。
日本のほたて貝と種類は若干違うのですが、地中海の貝で、ジェームズホタテ貝っていうそうです。
あ、きもの文化検定には、おそらく出題されませんね♪
目次
貝
貝は世界各地で生命や豊穣を象徴しています。
日本で文様に用いられる貝は、形や色の美しさから、蛤(はまぐり)、帆立貝、サザエ、ホラ貝などが主流です。
着物や帯にも見られ、貝を単独で表現したものから、数種類を組み合わせた貝尽くしや貝散らし、また海辺の風景文様と組み合わせてあしらわれることもあります。
貝散らし
さまざまな貝を散らした文様のこと。
海辺の風景とともに表現されることもある。
形の違う貝を中心にあしらったものは「貝尽くし」という。
どちらも訪問着や小紋、染め帯などに見られる。
蛤(はまぐり)
蛤は古くから食用として用いられてきました。
形の美しさから、平安時代には貝合わせの青美に使われ、文様にもなっている。
蛤は、単独で用いられるほか、貝桶のまわりに散らした柄もある。
貝合わせ
貝合わせの遊びは、近世では一般的に殻の甲(外側)を上にして並べる。
殻の内側には、合わせやすいように同じ図柄や文様を描いたり、和歌の上の句と下の句をそれぞれに記し、トランプの神経衰弱のように合わせて楽しむもの。
平安時代に貴族たちの間で、珍しい品々を持ち寄って、そのおもしろさを競い合う「物合わせ」の風雅な遊びが流行した。
対の貝の殻を合わせる貝合わせの遊びも、そこから発展したもの。
やがて蛤の殻の内側に絵や和歌を書いておいて、互いを合わせる貝合わせの遊びになった。
二枚貝は殻が決して他の殻と合わないことから、貞操の象徴となり、江戸時代には婚礼調度品として欠かせないものになった。
貝桶文(かいおけもん)
日本生まれの吉祥文様。
貝合わせの貝を入れる器を貝桶という。
貝合わせは、上流階級の女子の遊びなので、貝を入れる桶も美しいものが用意された。
貝桶は六角形か八角形の縦長の筒型で、足付き。
表面には雅な蒔絵が施されている。
朱色の房付きの紐で結んでおくが、文様にはこの優美な紐が一緒に描かれる。
貝桶は二つで一対のため、きものや帯に描かれる場合も対で描かれる。
きもの文化検定の練習問題
[きもの文化検定2級]
次の中で日本生まれの文様は?
(1)鳳凰
(2)松竹梅
(3)貝桶
(4)宝尽くし
◆解答 (3)貝桶
鳳凰、松竹梅、宝尽くしなどは、中国由来の文様。