伊豆諸島の八丈島。
東京です。
八丈島の地形は
古い東山火山と西山火山からなっていて、
東山の樹木の8割は
黒を染める椎の木、
西山の樹木の8割は
樺色を染めるタブの木(マダミ)なのだそうです。
そして、黄八丈に書かせない
コブナソウ(八丈刈安)をつかって、
八丈島の織物は染められます。
草木染めなら藍染めや赤く染めるものがありそうですが、
八丈島に生息する植物のみ
をつかって染色と媒染をしているので、
青と赤の染め色がありません。
八丈島の環境が、この素敵な黄八丈を作ったんですね♪
今回は「きもの文化検定公式教本2」の「染めと織りの産地」より「黄八丈」について、まとめました。
目次
黄八丈(東京)
・伊豆諸島の八丈島で古くから織られてきた絹織物の総称。
・植物染料:島に自生する植物
・柄:縞や格子
・色:黄・茶(鳶八丈)・黒(黒八丈)
黄八丈の歴史
・平安時代から献上品だった八丈絹
・江戸時代初め:大奥や大名家専用
・町人の着用が許される
↓
男女に大流行
黄色の糸染め
八丈刈安(コブナグサ)の染液に糸を一晩浸し、翌朝に絞って干す
↓
この作業を十数回繰り返す
↓
椿と榊(さかき)の灰汁で媒染
↓
深みのある黄色に発色
樺色(かばいろ)
マダミの樹皮を煮た液で染める
↓
マダミの灰汁で媒染
黒色
椎(しい)の樹皮を煮た液で染める
↓
泥染めを行う
きもの文化検定練習問題
[きもの文化検定3級]
伊豆諸島の八丈島で織られる黄八丈の中で「鳶八丈」と呼ばれる地色は?
(1) 黒色
(2) 茶色
(3) 灰色
(4) 黄色
解答 (2)
[きもの文化検定3級]
[泥染」の染織技法を使う織物は?
(1) 黄八丈
(2) 信州紬
(3) 牛首紬
(4) 郡上紬
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
黄八丈についての説明で誤っているものは?
(1) 綾織で織るものが多い。
(2) 紬糸で織るものが多い。
(3) 刈安、マダミ、椎などを使う。
(4) 鳶八丈と呼ばれるものがある。
解答 (2)
[きもの文化検定3級]
黄八丈の説明で誤っているものは?
(1) 絣模様が中心。
(2) 縞や格子が多い。
(3) 黄、茶、黒が基本色。
(4) 東京都で織られている織物。
解答 (1)
[きもの文化検定1級]
永鑑帳には、反物50種と帯地6種類が収録されています。
反物は1番から50番、イ印、ロ印、ハ印、二印、ホ印と続き、次は本来なら「へ」印ですが、語感が悪いので使われず、6番目であることをもじって、何印と呼ばれているでしょうか?
解答 : 無印
おまけ ☆ 永鑑帳 ☆
「永鑑帳」とは、
江戸時代に年貢として幕府に納める黄八丈の反物の見本帳。
(1級の試験に出題されたような・・・?)
黄八丈の年貢としての織物の検査は
とても厳しくて、
永鑑帳で間違いが無いか
厳しく調べられ、
万一失敗があれば
織り直しを命ぜられたのだそうです。
材木商の白子屋の婿養子の又三郎を
妻の「お熊」が手代の「忠七」と密通し、
殺そうと企てたのだが、失敗して捕らえられました。
そして「お熊」が大岡越前の裁きにより、
市中引き回しの上打ち首獄門の刑に処されます。
その時「お熊」が着ていたキモノが「黄八丈」!
結婚前から美貌で知られており、
引廻しの際は評判の美貌の悪女を一目見ようと沿道に観衆が押し掛け、
このことが、江戸市中で「黄八丈」がもてはやされるきっかけになったそうです。
メディアの無い時代には、そんな風に流行が広まっていくんですね。
それにしても、恋は盲目。
周りの人を幸せにできる恋愛がしたいものですね♡