友禅

きもの文化検定 公式教本2

【II 友禅染】茶屋辻は茶店じゃない!

更新日:

 

「きもの」と言われて、一番にイメージするのは友禅染の着物ではないでしょうか?

美しいですよね♡

 

友禅染は、染めの着物に模様をつけるための代表的な技法のひとつで

京都で作られる「京友禅」、

金沢で作られる「加賀友禅」、

東京で作られる「東京友禅」

の3つが有名です。

この中で、最初に生まれたのが京友禅です。

今回は、京友禅について、「きもの文化検定」に出題されるところをピックアップいたしました!

 

友禅染

京友禅   (京都)

加賀友禅(金沢)

東京友禅(東京)

・徳川御三家の女性だけに染められていた茶屋辻からヒントを得た。

 

のえぽん
御三家とか茶屋辻って何?

メイ
御三家は徳川将軍家の次に地位が高くて、葵の紋とか使える特別な人たちのことなんだよ!

のえぽん
へぇ~、えらい人達ってことね 。で、茶屋辻は・・・?

メイ
やべっ・・・急いで調べなきゃっ・・・!!

 

 

[きもの文化検定3級]
 友禅染を行っている産地は?

(1) 山形県
(2) 東京都
(3) 長野県
(4) 岡山県

解答 (2)

 

[きもの文化検定3級]
 友禅染誕生のヒントになったと思われるものは?

(1) ろうけち
(2) 茶屋辻
(3) 辻が花
(4) 絞縫箔

解答 (2)

 

 

京友禅

江戸期の元禄時代(1688~1704)に生まれる。

 

それまでは刺繍や箔 = 華やか

        ↓

幕府の奢侈(しゃし)禁止令

        ↓

京都の扇面絵師、宮崎友禅斎・・・糸目糊を使って白い生地に絵画のように模様を描く

 

[きもの文化検定3級]
 友禅染の名の由来となった宮崎友禅斎の職業は?

(1) 扇絵師
(2) 浮世絵師
(3) 型染職人
(4) 剣士

解答 (1)

 

美に飢えた民の救世主的デザイナー;宮崎友禅斎

 

 

京友禅の流れ

下絵(したえ)

・白生地に青花で模様を描く。

青花は水で簡単に除去できる。

青花

 

[きもの文化検定3級]
 手描き友禅で、白生地に下絵を描くのに青花が使われる理由として正しいものは?

(1) 鮮明に描けるから。
(2) 細い糸目が描けるから。
(3) 水で下絵が消えるから。
(4) 糸目糊が付きやすくなるから。

解答 (3)
解説:青花はおおぼうしという露草の花びらを絞って得られ、生地に染着せず水で簡単に除去できる。

 

 

糸目置(いとめおき)

・糊で模様の輪郭を描き、隣の色が混ざらないようにする。

細い筒の中に糊を入れて指先で絞り出す。

ラインがわかりやすい赤糸目はもち米とぬかに蘇芳(すおう)を混ぜてつくる。

 

のえぽん
生クリームの絞り出しみたいね!「あまおう」っておいしそう♡

メイ
「すおう」っていう染料だよ~。「あまおう」はイチゴ‼ まぁ、どっちも赤いけどね

 

 

[きもの文化検定3級]
 友禅染の糸目置の説明で誤っているものは?

(1) 糸目糊を置くときは下絵の微妙な歪みなどを修正しながら作業する。

(2) 糸目置をすることで隣の色が微妙に混ざることになる。

(3) 白生地の上でも見やすいように、糸目糊には赤や青などの色をつけてある。

(4) 生地に描かれた下絵の線の上に、細い筒に入れた糊を絞り出していく。

解答 (2)

 

 

[きもの文化検定3級]
 京友禅の赤糸目はどのような色素によるものか?

(1) 茜
(2) 蘇芳
(3) 刈安
(4) 臙脂

解答 (2)

 

糊伏せ(のりぶせ)

・地染めの準備工程。

・模様を防染する。

 

[きもの文化検定3級]
 友禅染の工程の主な流れで誤っているものは?

(1) 糸目置→挿し彩色→地入れ→蒸し

(2) 型置→地染→蒸し→水元

(3) 蒸し→水元→湯のし→地直し

(4) 糊伏せ→引き染→蒸し→水元

 

解答 (1)
解説:糸目置→地入れ→挿し彩色→蒸し

 

 

地入れ(じいれ)

染料を染み込みやすくするために、生地に豆汁(ごじゅう)と呼ばれる大豆の汁を引きます。

[きもの文化検定3級]
 手描き友禅の工程で「地入れ」に使われるものは?

(1) 塩水
(2) 豆汁
(3) アルコール
(4) アンモニア水

解答 (2)

解説:豆汁は大豆の液で、豆にある植物蛋白が色挿しの時に染料が糸目の外ににじみ出ないようにする作用と、染料の発色を良くする作用がある。

のえぽん
この問題は「教本外」から出題されたものだから、要チェックね

 

地染め(引き染)

刷毛で着物の地色を染める。

仮仕立てしたものを1枚の布に戻してから行う。

[きもの文化検定3級]
 京友禅で糊糸目置をして地染をする方法の名称は?

(1) 浸染

(2) 絞り染

(3) 引き染

(4) しごき染

 

解答 (3)

 

蒸し(むし)

色を定着させるため蒸気にあてる。

 

[きもの文化検定3級]
 きものの制作工程で、一般的に「蒸し」の直前の工程は?

(1) 湯のし
(2) 地張り
(3) 地染め
(4) 地直し

解答 (3)
解説:蒸しは地染め(引染)または挿し友禅(彩色)の色を定着させるために行う。

 

 

[きもの文化検定2級]
 京友禅の制作工程で、蒸しを行う目的は?

解答:染料の定着

 

水元(みずもと)

・生地についた糊や余分な染料を落とす。

・「友禅流し」と呼ばれていたもの。

 

 

[きもの文化検定3級]
 友禅染の「蒸し」と「水元」の記述で正しいものは?

(1) 「水元」に地下水が使用されるのは、1年を通して水温が安定しているためである。

(2) 「蒸し」の温度は通常100度位で、一般的には120〜150分蒸す。

(3) 「水元」に使う水は硬水が適している。

(4) 「蒸し」の時間と温度は全て均一に保たれる。

 

解答 (1)
解説:蒸しは100度に近い温度。蒸す時間は変えられる。水は軟水が適してきる。

 

 

色挿し(いろさし)

「手書き友禅」は糸目糊で引かれた線の中に、一つずつ色を付ける。(淡い色→濃い色)

・色挿しが終わったら「蒸し」と「水元」をする。

 

 

型染(かたぞめ)

「型友禅」は型を使って模様を染める。

・型紙:柿渋を塗った和紙、樹脂製のシルクスクリーン

星(しるし)を合わせて生地の上に型紙を置き、色を摺り込む。

・摺り込み友禅:色の数だけ型紙が必要

・模様を染めたら「蒸し」と「水元」をする。

 

 

[きもの文化検定3級]
 色糊による型友禅が開発された時代は?

(1) 江戸時代前期
(2) 江戸時代後期
(3) 明治時代
(4) 大正時代

解答 (3)
解説:明治時代初期、ドイツから化学染料が輸入され、糊に染料を交ぜて型で染める「うつし友禅」と呼ばれるものが、広瀬治助によって創案されたと言われている。

 

[きもの文化検定3級]
 型友禅の制作についての説明で誤っているものは?

(1) 蒸しの工程は不要である。
(2) 型紙には柿渋を塗った和紙が使われている。
(3) 型紙には、樹脂製のシルクスクリーンも使われている。
(4) 色の数だけ型紙が必要なので、たくさんの型紙を使うものがある。

 

解答 (1)

 

 

[きもの文化検定1級]

型染めで、型合わせのために型紙に付けられた小さな孔を何というか?

◆解答 : 星

◆参照 公式教本2 15頁

 

 

[きもの文化検定5・4級]
友禅染で、手で筆や刷毛を使って彩色する手描友禅のことを本友禅と呼ぶが、本友禅でないものは?

(1)ゴム糸目友禅
(2)糊糸目友禅
(3)素描友禅
(4)写し友禅

◆解答(4)写し友禅

◆参照 公式教本1 69頁

◆解説:型紙を使う型友禅を写し友禅ともいう。

 

 

湯のし

蒸気をあてて、反物の丈や幅を整える。

のえぽん
スチームでふっくらさせるのね

 

 

[きもの文化検定3級]
 染めあがった着物に蒸気をあてて幅や長さを整える作業は?

(1) 地直し
(2) 蒸し
(3) 湯もみ
(4) 湯のし

解答 (4)

 

 

金彩(きんさい) 箔置(はくおき)

金箔や銀箔を使用して模様を付ける。

 

 

[きもの文化検定3級]
 金彩についての説明で誤っているものは?

(1) 金彩は手描き友禅よりも早い時代から行われていた。

(2) 摺箔を行う時は、糊に樹脂を使って金箔を貼る。

(3) 金彩の技術は明治時代にフランスから伝わった。

(4) 振り金砂子や真綿もみ箔などの技術がある。

 

解答 (3)
解説:金彩の技術は中国から伝わり、桃山時代に確立された。

 

 

紋洗い・紋上絵

染め抜き紋を入れる。

 

[きもの文化検定2級]
 紋を描く前に、糊や汚れなどを落とし、薬品を使って漂白する( ア )をしてから、筆を使い墨で紋を描いたり、紋型を使って模様を摺り込んだりする。紋を描き入れることを( イ )と呼ぶ

語群 ①紋洗い ②紋上絵 ③抜紋 ④紋落とし ⑤描き紋 ⑥紋挿し

 

解答 (ア) ①  (イ) ②

 

 

 

地直し(じなおし)

染めむらや汚れを直す補正作業。

 

[きもの文化検定3級]
 京友禅には多くの加工工程があり、最終チェックで修正が加えられることがあるが、この作業の名称は?

(1) 地直し
(2) 上絵
(3) 色止め
(4) 湯のし

解答 (1)

 

 

おまけ ☆ 茶屋辻 ☆

のえぽん
さっきから気になってたんだけど、「茶屋辻」って何?

メイ
エッヘン!(間に合ったゾ)まずは「茶屋辻文様」と「茶屋染め」を理解してね。

茶屋辻文様とは、水辺の風景を意匠化した文様。流水に、楼閣、そして四季折々の草花などです。

当初は、裕福な町民たちが着用した、帷子(かたびら)とよばれる夏の麻着物にこうした風景文様が、あらわされていました。

その後元禄時代に、徳川家の御用達商人であった「茶屋四朗次郎」によって文様の際に糊を置いて染色する「糊防染」の技法が発明され、より精細な文様表現ができるようになり、この技法は「茶屋染」とよばれ、人気を博しました。

のえぽん
「茶屋」って人の名前だったの?茶店のことかと思ってたわ。

メイ
「茶屋染」とは、茶屋家の染める模様染であり、茶屋家の屋号に由来してるんだよ。

 

当時、帷子(かたびら)は「辻」ともよばれていました。

つまり、茶屋辻文様の茶屋辻というよび名は、「茶屋染めの帷子」という意味なんです。
後に茶屋染めの技法は、友禅染めを誕生させます。

のえぽん
なるほど。「茶屋辻がヒントで友禅染が誕生」ってどういうことかと思ったら、「糊防染の技をヒントにした」っていうことだったのね

 

茶屋辻文様 と 茶屋染め ちょっと紛らわしかったかな。

でも、ずっと「茶店」だと思っていた謎が解けたようですね。

よくわからないなぁということがあったら、何でも尋ねてくださ~い。

コメントお待ちしています♪

 

   羊ハート

 

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