着物を着ている人には、自然と視線が集まります。
つまり、着物を着た時は普段よりも人に見られているということ。
以前、レストランで素敵な着物を着て、お食事されている方がいらっしゃいました。
ふとテーブルの下を見ると、、、
なんと! 足を組んでる⁉
ガックリ~ 幻滅ですっ。
普段から気を付けていないと無意識に出てしまう、、、おそろしい。
気を付けねば!!
折角の素敵な着物を台無しにしないように、着物の立ち居振る舞いと基本的なマナーを知っておきましょう。
「きもの文化検定公式教本 I 」の『自信がつく美しい立ち居振る舞い』から、きもの文化検定に出題されることを中心にまとめました。
お着物をあまり着られない方は、知識として知っておいてください。
着られる方は、是非、美しくみられるように実践してくださいね。
目次
きもの文化検定に出題される《着物の立ち居振る舞い》
階段で
裾を擦らないように。
・右手で上前と下前を5cmほどつまんで、少し持ち上げ、爪先で上り下りする。
・振袖の場合・・・右手で両方の袖の袂と上前を一緒に持つ。
イスに座る
・右手で上前を少し引き、左手で太ももあたりを前から後ろへ撫で、膝の裏のたるみをなくす。
・浅めに座る(帯をつぶさないように)
[きもの文化検定5・4級]
椅子に座る場合にふさわしくないしぐさは?
(1) 帯をつぶさないようにもたれずに浅めに座り、膝の後ろのシワを整える。
(2) 袖が長い場合は、袖を膝の上で重ねるようにしておく。
(3) 安定感のあるように椅子の背に深くもたれて座る。
(4) 右手で上前を少し引き、左手で太ももあたりを前から後ろへ撫で、膝の裏のたるみをなくす。
解答(3)
解説:帯をつぶさないように椅子には浅く座る。
車に乗る
・車に背を向け、右手で上前を少し引き上げる。(振袖は先に袂を左手で持つ)
・座席に腰をおろし、頭を車内に入れ、両足を浮かせて体を回して車に入る。
・浅く座る。(帯をつぶさないように)
電車の中でつり革を持つとき
・空いている側の手を袖口に添えるようにする。
[きもの文化検定5・4級]
袂の扱いで美しさを表現する行動は?
(1) 脇に挟む
(2) 袂を帯締めに挟む
(3) 袖口を折り曲げる
(4) 物を持つときもう一方の手で袖口に添える
解答 (4)
パーティーで
食事のとき
・ナプキンは膝の上に置くが、汚れが心配なら、帯揚げの上からはさむ。
・乾杯や何か物を取る時は、もう一方の手を袖口に添える。
(腕がむき出しにならないように)
[きもの文化検定3級]
着物を着た時の立ち居振る舞いについて誤っているものは?
(1) 車に乗る際は姿勢を正し、背もたれに背を付け深く腰を掛ける。
(2) 階段の上り下りの際は、上前と下前を5cmほどつまみ上げて、爪先から歩き出す。
(3) グラスを持つときは反対側の手で袖口を押さえ、腕がむき出しにならないようにする。
(4) 椅子に座る際は右手で上前を引き、左手で太腿の裏側を撫でてたるみをなくす。
解答 (1)
解説:帯がつぶれないように浅く座る。
扇(末広)の扱い
・手に持たない時は、前帯の左側に挿す。
・立ち姿で挨拶する時は右手で根元を持ち、左手の親指を上に、他の指を下に添えて持つ。
[きもの文化検定5・4級]
扇子の取り扱いについて誤っているものは?
(1) 立ち姿で挨拶する時は右手で根元を持ち、左手の親指を上に、他の指を下に添えて持つ。
(2) 扇子を畳の上に置いて挨拶する時は、要を右に置く。
(3) 扇子は前帯の左側の帯の間に挿す。
(4) 扇子は前帯の右側の帯の間に挿す。
解答 (4)
解説:右側は衿があるので、左側に挿す。
お手洗いで
トイレのとき
・袂の中央を帯締めにはさむ。
・着物→襦袢→裾除けの順にめくり上げる
*振袖の場合:左右の袂を軽く結ぶとよい。
手を洗う
・袂が邪魔なら帯締などにはさむ。
・ハンカチをあごや衿元にはさんでおくと良い。
なかなか説明しずらいトイレの行き方などをとってもわかりやすく説明している動画です。
百聞は一見に如かず
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必見!トイレの行き方 動画
和室では
和室での上座・下座の見分け方
・上座・・・床の間の前(床の間を背にして座る場所)
・下座・・・入口に近い場所
*横一列の場合・・・床の間に向かって「右端」or「中央」が最上位
*床の間の無い場合の上座・・・出入口から遠い位置、窓や庭が見える位置
[きもの文化検定5・4級]
和室で下座にあたる席は?
(1) 窓や庭が見える位置
(2) 横一列に並ぶときは、床の間に向かって一番右端か中央
(3) 入口に近い席
(4) 床の間の前(床の間に背を向けて座る席)
解答 (3)
きもの文化検定に出題される《着崩れた時の対処》
・安全ピンを利用しても良い。
衿が崩れたら
・上前・・・おはしょりの衿先部分を引く。
・下前・・・右手で衿をなで下げ、左手を身八ツ口から入れて衿を引いて直す。
後ろ裾が下がったら
・後ろのおはしょりを持ち上げて、腰紐の上に引き上げる。
下前の裾が下がったら
・上前をめくり、下がった下前を腰紐の下に押し込む。
[きもの文化検定5・4級]
着崩れの対処法で誤っているものは?
(1) 後ろ裾が落ちてきた時は、上前を下に引っ張る。
(2) うまく直せない場合は安全ピンを使用してもよい。
(3) 上前の襟元が崩れた時は、おはしょりの衿先部分を下に引っ張る。
(4) 下前の裾が下ってきた時は、上前をめくり、下前を腰紐の下に押し込む。
解答 (1)
解説:後ろのおはしょりを持ち上げて、腰紐の上に引き上げる。
[きもの文化検定3級]
着物姿での立ち居振る舞いについて適当でないものは?
(1) 食事の時のナプキンは帯揚げの上から挟んでも良い。
(2) 物を取るために手を伸ばす時は、もう一方の手を袂に添えるとよい。
(3) 振袖姿で階段を上り下りする時は、片手で両袖の袂と上前を持つとよい。
(4) 上前の衿元が崩れた場合は、身八ツ口から手を入れて衿を引いて直すとよい。
解答 (4)
解説:
・上前・・・おはしょりの衿先部分を引く。
・下前・・・身八ツ口から左手を入れて衿を引いて直す。
おまけ ☆ 訪問時のマナー ☆
お着物を着ていると、ちょっとした仕草がエレガント。
素敵な立居振舞いには女らしさが漂います。
「きもの文化検定」の試験には出題されませんが、第一印象が一番大事な訪問時のマナーを紹介いたします。
よそ様のお宅を訪問する際はチャイムをならす前にまず、着物の身なりをもう一度チェック!
コートやショールは玄関前で外します。(羽織は着たままでもOK)
玄関でご挨拶。
お辞儀をしながら挨拶の言葉を述べるより、
①挨拶の言葉 ②お辞儀
と分けてすると、丁寧に感じられます。
お家に上がる場合は、上がってから履物をそろえます。
履物を後から揃えずにすむように後ろ向きに上がるのはNGです!
お部屋に入ったら、すすめられるまで、座布団や上座には座らない、などなど、、、。
細かいルールを言い出すとキリがありませんが、相手を大切に思う気持ちがあれば、基本的にOK!
マナーといえば、このお話↓
「ヴィクトリア女王が、来客の王子がフィンガーボウルの使い道を知らず、誤って中の水を飲んでしまった時、
客に恥をかかせないために、それが指を洗う物であることを知りながらも、中の水を飲んだそうです。
もちろんそれは、とんでもないマナー違反。
でも彼女の行動によって、王子はもちろん、その場の空気も和み、気持ちよい食事会を終えることができたわけです。」
マナーとは、自分以外の人への思いやりの心を、言動として表すものですね。
周りにいる人を嫌な気持ちにさせないような行動や、一緒にいる人を幸せにするのも、マナーです。
挨拶したり、笑顔でいたり、ドアを開けてあげたり。
失礼のないようマナーの知識を身につけて、相手を思いやることのできる、素敵なきもの美人を一緒に目指しましょうね♪