もう手に入りにくい白大島・・・。
ホンジャマカの恵さん
まいう~の石塚さんの合い方ですが
恵さんのご実家が
大島紬をつくられていたのは
ご存知でしょうか?
お父様の恵氏は、薩摩焼の原料となる白土に注目し、
これを白泥に加工して細かな粒子をもみ込むことで
豊かな風合いのある白恵泥染めの絹糸を制作しました。
白い恵の泥「白恵泥」と書いて
「はっけいどろ」と名付け
特許も取られました。
恵さんのお父さんは
その技術を惜しげもなく伝えた立派な方です。
恵さんは家業を継がなかったので
お父さんは機を閉じてしまい
白恵泥は市場にあるだけになってしまい
その数はどんどん減っています。
30人以上の職人さんの技術力が合わさった織物。
誰かが欠けると作れなくなってしまうんです。
どんなに素晴らしい技術でも
継ぐ人がいないと途絶えてしまうのですね。
私には技術を伝えることはできませんが、
せめて知識だけでも伝えていきたいですね。
今回は、「きもの文化検定公式教本2」の「染めと織りの産地」より大島紬についてまとめました。
ちなみに「奄美大島」は鹿児島県ですよ!
目次
本場大島紬(鹿児島・奄美大島・宮崎)
・奄美大島:本場大島紬の発祥地。
・鹿児島市周辺、宮崎県都城市:第二次大戦中に島民が疎開した所。
・伝統的な絣柄:ソテツの葉、ハブの鱗、魚の目など奄美大島の自然を模様化した独特の柄ゆき。
・江戸時代に盛ん:薩摩藩への上納品
↓
大正時代:絹練糸になる
名前だけが「紬」として残る
明治時代後期:締め機が開発される
大島紬の種類
・泥大島:泥染
・泥藍大島:泥染 + 藍染
・草木染大島:植物染料による
・色大島:化学染料による
・白大島:白土
・夏大島
大島紬の工程
図案:方眼紙に絣の模様を描く
糊張り:糸に布海苔(ふのり)をつけて整える
締め機で絣糸を括る(括り糸の役目の木綿糸を経糸に張り、緯に絹糸を通して固く打ち込みながら織って、布のような「絣筵(かすりむしろ)」を作る
染め:テーチ木(車輪梅)と泥染め
「絣筵をテーチキの煮汁で20回ほど染め、泥田に1回浸してもみ込む」→数回繰り返す
テーチ木のタンニン酸と泥の鉄分が化合し渋く艶やかな茶褐色に染まる
絣の部分に色を付けるときは、その部分だけ解いて染める
織る:高機にかけ7cmほど織っては、針で柄合わせをしながら織り進める
きもの文化検定練習問題
[きもの文化検定3級]
本場奄美大島の生産地は?
(1) 鹿児島県と熊本県
(2) 鹿児島県と沖縄県
(3) 鹿児島県と宮崎県
(4) 鹿児島県のみ
解答 (3)
解説:奄美大島は鹿児島県。
[きもの文化検定3級]
大島紬の独特な色合いを出す泥田に含まれる成分は?
(1) リン
(2) 鉄分
(3) 塩分
(4) カルシウム
解答 (2)
[きもの文化検定3級]
車輪梅は植物のどの部分から染料をとるか?
(1) 花
(2) 根
(3) 幹
(4) 葉
解答 (3)
解説:小さく割って、大窯で14時間煎じると、タンニン酸なので赤ワインのような色の液体になる。
[きもの文化検定3級]
大島紬で繊細な絣模様を表現するために行う、絣糸作りのための独特の工程は?
(1) 締機
(2) 絣板
(3) 板締
(4) 絞り
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
大島紬の説明で正しいものは?
(1) 昔は紬糸を使っていたが、今は絹練糸を使う。
(2) 黒褐色の染料を含んだ泥田に浸して糸を染める。
(3) 砧打ちをして、布面に艶を出す。
(4) 締機という織機を使って生地を織り上げる。
解答 (1)
[きもの文化検定3級]
空欄に入る言葉は?
本場大島紬は、江戸時代、紬糸で織られていたが、大正時代に( A )糸を使うようになった。明治時代後期に絣作りのため( B )が開発され、経糸が木綿、緯糸が絹の( C )を作って染めるようになった。
(A) 絹錬・絹紡
(B) 板締・締機
(C) 仮り絣・絣筵(かすりむしろ)
解答 (A)絹錬 (B)締機 (C)絣筵
解説:絹紡糸とは、生糸を生産する際に出る副蚕糸などを使用し、紡績して生産される絹糸のこと。具体的には、穴あき繭や出殻繭、浮きしわ繭、薄皮繭などの副蚕糸や、繭の糸口を見出す為にしごきとった繊維(緒糸:きびそ)、繰り終わった繭に残った繭繊維(びす)などの短繊維を短く切断し、綿状にした絹繊維を細く紡いで生産されます。
おまけ ☆大島紬の産地の見分け方 ☆
大島紬は、奄美大島・鹿児島・宮崎で作られています.
本場大島紬と認定された織物には、かならず「旗印」「地球印」「鶴印」のいずれか1つが貼られています。
・旗印→鹿児島
・地球印→奄美大島
・鶴印→宮崎
絣の目の細かさや絣の合わせ方にも名前が付いています。
大島紬は知れば知るほど奥が深いです。
私も大好きなお着物の一つですが、
近年、職人さんがいらっしゃらなくなり、
作るのが難しくなってきているようです。
是非、みんなで「大島紬」を着ましょう!!